フランス大統領選挙
フランス大統領選挙の仕組み(2回投票制)と、1965年から2022年までの歴代11回の結果(第1回投票・決選投票それぞれの候補者別得票)、次回2027年の日程をまとめました。
30秒でわかるフランス大統領選挙
2002年の選挙から5年(キンケナ)。2000年9月24日の国民投票を経て同年10月2日に公布された憲法的法律(2000-964)で7年(セプテナ)から改められた。
2回投票制のしくみ
フランス大統領選挙とは
フランスの大統領は、有権者の直接投票によって選ばれます。当選には有効投票の過半数が必要で、第1回投票で過半数に達した候補がいない場合は、上位2人による決選投票が行われます。この2回投票制がフランスの大統領選挙の最大の特徴です。第五共和政で直接選挙が始まった1965年以降、これまでの11回はいずれも第1回投票で過半数に達した候補がおらず、すべての回で決選投票が行われています。
2回投票制の仕組み
憲法7条は、大統領は有効投票の絶対多数(過半数)で選ばれ、第1回投票でこれに達しない場合は「その14日後」に決選投票を行うと定めています。決選投票に進めるのは第1回投票の得票上位2人です。ただし条文は、上位の候補が立候補を取り下げた場合には次の順位の候補が繰り上がることも認めています。1965年以降の11回では、いずれも第1回投票の上位2人がそのまま決選投票に進んでいます。
任期は7年から5年に変わりました
大統領の任期は、直接選挙が導入された1962年の法律では7年(セプテナ)でした。2000年9月24日の国民投票を経て同年10月2日に公布された憲法的法律(2000-964)が憲法6条を書き換え、任期は5年(キンケナ)になりました。5年任期で行われた最初の選挙は2002年です。したがってこのページに載せている11回のうち、1965年から1995年までの6回は7年任期、2002年から2022年までの5回は5年任期の選挙です。さらに2008年7月23日の憲法的法律(2008-724)により、「何人も連続して2期を超えて在任することはできない」という規定が加わりました。連続してでなければ、再び立候補することはできます。
立候補には500人の推薦が必要です
大統領選挙に立候補するには、国会議員・市町村長・県議会議員といった公選職にある500人以上の推薦(パランナージュ)が必要です。推薦者は30以上の県または海外共同体にまたがっていなければならず、1つの県から集められるのは全体の10分の1までと決められています。推薦の提出期限は第1回投票の6週間前の金曜18時で、憲法評議会が誰が誰を推薦したかを週2回以上公表します。なおこの人数は当初からのものではなく、1962年の規定では100人以上・10県以上でした。
結果を公式に宣言するのは憲法評議会です
憲法58条は「憲法評議会は大統領選挙の適正を監督する。異議を審査し、投票の結果を宣言する」と定めています。開票の集計は内務省が行いますが、公式の確定結果を宣言するのは憲法評議会です。このページに載せている得票数・有権者数・投票数・有効投票数は、すべて憲法評議会が各回に出した決定(種別記号PDR)から採っています。第1回投票の結果と決選投票の結果はそれぞれ別の決定になるため、1回の選挙につき2件の決定が出典になります。
政党名の出所について
フランスの大統領選挙は候補者個人の立候補であり、政党の公認候補という制度ではありません。そのため憲法評議会の候補者名簿の決定にも結果を宣言する決定にも、政党を記載する欄がありません(このページが収録する22件の決定すべてで確認しました)。このページに載せている政党名は、報道や事典などの資料によって補ったもので、得票数などの数値とは出所が異なります。政党の公認を受けて立候補したのか、支持を受けただけなのかは、この欄からは区別できません。公認を受けていないことが明らかな候補には、その候補の欄に注記を付けています。また政党名はその選挙が行われた時点の名称で記載しており、後の改称は反映していません。
このページの収録範囲について
このページは、第五共和政で大統領の直接選挙が始まった1965年から2022年までの11回(1965年・1969年・1974年・1981年・1988年・1995年・2002年・2007年・2012年・2017年・2022年)を収録しています。各回について第1回投票と決選投票を分けて掲載し、立候補したすべての候補者の得票を載せています。1962年より前の大統領は選挙人団による間接選挙で選ばれていたため、このページには含めていません。
投票日と、海外での土曜投票について
投票日は日曜日です。憲法7条により、選挙は現職大統領の任期満了の20日以上35日以下の前に行われます。ただしグアドループ、ギアナ、マルティニーク、サン・バルテルミー、サン・マルタン、サンピエール・エ・ミクロン、フランス領ポリネシア、およびアメリカ大陸にある在外公館では、法律により前日の土曜日に投票が行われます。時差の関係で、本国の開票結果が伝わったあとに投票することにならないようにするためです。このページの投票日には本国(メトロポール)の日曜日を記載しています。得票数は海外県・海外領土と在外投票を含んだ全国の集計です。
歴代の結果
歴代の政権交代
投票率の推移
投票率は、憲法評議会が各回の決定に記載した投票数(votants)を有権者数(électeurs inscrits)で割った値です。分母は有権者数であり、有効投票数ではありません。なお候補者の得票率は、これとは別に、白票と無効票を除いた有効投票数(suffrages exprimés)を分母としています。
2回投票制の回は、当選者が決まった決選投票の投票率を示しています。
歴代一覧表
| 選挙 | 投票日 | 投票率 | 当選者 | 政党 | 得票率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2022年 | 2022/04/24 | 71.99% | エマニュエル・マクロン | 共和国前進 | 58.55% |
| 2017年 | 2017/05/07 | 74.56% | エマニュエル・マクロン | アン・マルシュ | 66.10% |
| 2012年 | 2012/05/06 | 80.35% | フランソワ・オランド | 社会党 | 51.64% |
| 2007年 | 2007/05/06 | 83.97% | ニコラ・サルコジ | 国民運動連合 | 53.06% |
| 2002年 | 2002/05/05 | 79.71% | ジャック・シラク | 共和国連合 | 82.21% |
| 1995年 | 1995/05/07 | 79.66% | ジャック・シラク | 共和国連合 | 52.64% |
| 1988年 | 1988/05/08 | 84.06% | フランソワ・ミッテラン | 社会党 | 54.02% |
| 1981年 | 1981/05/10 | 85.85% | フランソワ・ミッテラン | 社会党 | 51.76% |
| 1974年 | 1974/05/19 | 87.33% | ヴァレリー・ジスカール・デスタン | 独立共和派全国連盟 | 50.81% |
| 1969年 | 1969/06/15 | 68.85% | ジョルジュ・ポンピドゥー | 共和国民主連合 | 58.21% |
| 1965年 | 1965/12/19 | 84.32% | シャルル・ド・ゴール | 新共和国連合=民主労働同盟 | 55.20% |
得票率は当選者のものです。2回投票制の回は決選投票の結果を示しています。詳しくは各回のページをご覧ください。
よくある質問
次のフランス大統領選挙はいつですか。
第1回投票が2027年4月18日(日曜日)、決選投票が2027年5月2日(日曜日)に行われる予定です。フランス政府が案内している日程で、有権者を招集する政令はまだ公布されていません。
フランス大統領選挙の決選投票とは何ですか。
第1回投票で有効投票の過半数を得た候補がいなかった場合に、得票上位2人だけで行う2回目の投票です。第1回投票の14日後に行われます。1965年以降の11回はすべて決選投票まで行われました。
第1回投票だけで大統領が決まることはありますか。
制度上はありえます。第1回投票で有効投票の過半数を得た候補がいれば、その時点で当選が決まります。ただし直接選挙が始まった1965年以降、実際にそうなった回はまだありません。
フランス大統領の任期は何年ですか。
現在は5年です。もとは7年でしたが、2000年の国民投票を経た憲法改正により5年になりました。5年任期で行われた最初の選挙は2002年です。また2008年の憲法改正により、連続して2期を超えて在任することはできません。
このページの得票率は何を分母にしていますか。
白票と無効票を除いた有効投票数(suffrages exprimés)です。フランスの公式集計では白票・無効票は有効投票に含まれず、当選要件である「絶対多数」も有効投票を分母として判定されます。一方、投票率の分母は有権者数です。
出典
- https://www.conseil-constitutionnel.fr/decision/1965/656pdr.htm
- https://www.conseil-constitutionnel.fr/decision/1965/6510pdr.htm
- https://www.conseil-constitutionnel.fr/decision/1969/6920PDR.htm
- https://www.conseil-constitutionnel.fr/decision/1969/6922pdr.htm
- https://www.conseil-constitutionnel.fr/decision/1974/7430pdr.htm
- https://www.conseil-constitutionnel.fr/decision/1974/7432PDR.htm
- https://www.conseil-constitutionnel.fr/decision/1981/8145pdr.htm
- https://www.conseil-constitutionnel.fr/decision/1981/8147pdr.htm
- https://www.conseil-constitutionnel.fr/decision/1988/8856pdr.htm
- https://www.conseil-constitutionnel.fr/decision/1988/8860PDR.htm
- https://www.conseil-constitutionnel.fr/decision/1995/9579pdr.htm
- https://www.conseil-constitutionnel.fr/decision/1995/9581PDR.htm
- https://www.conseil-constitutionnel.fr/decision/2002/2002109PDR.htm
- https://www.conseil-constitutionnel.fr/decision/2002/2002111PDR.htm
- https://www.conseil-constitutionnel.fr/decision/2007/2007139PDR.htm
- https://www.conseil-constitutionnel.fr/decision/2007/2007141pdr.htm
- https://www.conseil-constitutionnel.fr/decision/2012/2012152PDR.htm
- https://www.conseil-constitutionnel.fr/decision/2012/2012154PDR.htm
- https://www.conseil-constitutionnel.fr/decision/2017/2017169PDR.htm
- https://www.conseil-constitutionnel.fr/decision/2017/2017171PDR.htm
- https://www.conseil-constitutionnel.fr/decision/2022/2022195PDR.htm
- https://www.conseil-constitutionnel.fr/decision/2022/2022197PDR.htm