台湾総統選挙
台湾の総統選挙(正副総統選挙)の仕組みと、直接選挙になった1996年からの歴代8回の結果(候補者別の得票数・得票率・投票率)、次回の日程をまとめました。
30秒でわかる台湾総統選挙
台湾総統選挙のしくみ
台湾総統選挙とは
台湾(中華民国)の総統・副総統を選ぶ選挙です。かつては国民大会の代表が選んでいましたが、憲法増修条文第2条第1項により「総統、副総統は中華民国自由地区の全体の人民が直接選挙する」と改められ、1996年の第9任からは有権者が直接投票して選ぶようになりました。任期は4年で、再選は1回まで(通算2期まで)と憲法増修条文第2条第6項が定めています。当選した組は選挙の年の5月20日に就任します。
総統と副総統はペアで立候補する
台湾では総統候補と副総統候補が「同一組」として2人1組で立候補し、有権者はその組に対して1票を投じます。総統副総統選挙罷免法第21条は、2人が連名で中央選挙委員会に登録を申請しなければならないと定めており、2人のうちどちらかの資格が認められなければ、その組は登録そのものができません。立候補の登録には、政党の推薦を受ける方法と、有権者の署名を集める「連署」による方法の2つがあります。このページの結果一覧では、総統候補の名前を見出しにし、副総統候補は各行の注記に記しています。
当選の決め方(決選投票はない)
総統副総統選挙罷免法第63条は「選挙の結果は、得票が最も多い1組を当選とする」と定めています。過半数を得ることは条件ではなく、フランスのような決選投票の制度もありません。実際、1996年からの8回のうち2000年(39.30%)と2024年(40.05%)は、当選した組の得票率が過半数に届いていません。例外は2つだけで、得票が同数だった場合は投票日から30日以内にもう一度投票を行い、立候補が1組しかない場合はその組が選挙人総数の20%以上を得なければ当選とならず、3か月以内に選挙をやり直します。1996年からの8回では、どちらの例外も起きていません。
立候補できる人
総統副総統選挙罷免法第20条により、立候補できるのは満40歳以上で、台湾(中華民国自由地区)に継続して6か月以上住み、かつ通算15年以上その地域に戸籍を置いていた有権者です。中華民国の国籍を回復した人、帰化によって国籍を取得した人、中国大陸・香港・マカオから許可を得て入境した人は、総統・副総統の候補者として登録することができません。
投票できる人
総統副総統選挙罷免法第11条により、投票できるのは満20歳以上の人です(日本の18歳とは異なります)。さらに第12条により、現在台湾に継続して6か月以上住んでいる人、または過去に6か月以上住んでいて現在は国外にいる人のうち、有効な中華民国旅券を持ち、期間内に元の戸籍地で選挙人登録をした人が投票できます。ただし在外公館などで投票する制度はなく、国外の有権者は帰国して国内の投票所で投票します。
投票日の決め方
法律が定めているのは期日そのものではなく期限です。総統副総統選挙罷免法第35条は「総統、副総統の選挙は、総統、副総統の任期満了の30日前までに選挙の投票を終えなければならない」と定めており、その範囲で中央選挙委員会が具体的な投票日を決めます。実際の投票日は2004年までは3月中旬から下旬でしたが、2012年に立法委員選挙と同じ日に行うようになってからは1月中旬に移りました。曜日はいずれの回も土曜日です。
選挙を管理する機関
総統副総統選挙罷免法第6条により、総統・副総統の選挙と罷免は中央選挙委員会(中選会)が主管し、直轄市および県・市の選挙委員会を指揮・監督して実施します。ただし罷免案の提議・提出と、副総統が欠けたときの補欠選挙は立法院が行います。
このページの収録範囲について
このページは、総統・副総統を有権者が直接選ぶようになった1996年から2024年までの8回をすべて収録しています。中央選挙委員会が公開している選挙公報の一覧に並ぶ総統副総統選挙も、同委員会のオープンデータに収録されている総統選挙のデータセットも、この8回だけです。得票数・得票率・投票率・選挙人数はいずれも中央選挙委員会のオープンデータ(選挙資料庫)から取り、各回について「候補者の得票の合計=有効票数」「有効票数+無効票数=投票数」「投票数÷選挙人数=公表されている投票率」の3つが一致することを確認しています。投票日と当選人については、中央選挙委員会が公開している選挙実録や公告など、別の公式資料でも確かめました。
歴代の結果
歴代の政権交代
投票率の推移
投票率は、投票数を選挙人数(有権者数)で割った値です。どちらも中央選挙委員会が公表している数値で、同委員会の選挙資料庫オープンデータに含まれる選挙概況ファイル(elprof.csv)の全国の行から取りました。台湾では国外に住む有権者にも投票権がありますが、在外公館などで投票する制度はなく、あらかじめ登録したうえで帰国し、国内の投票所で投票します(総統副総統選挙罷免法第12条・第14条)。
歴代一覧表
| 選挙 | 投票日 | 投票率 | 当選者 | 政党 | 得票率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2024年 | 2024/01/13 | 71.86% | 頼清徳 | 民進党 | 40.05% |
| 2020年 | 2020/01/11 | 74.90% | 蔡英文 | 民進党 | 57.13% |
| 2016年 | 2016/01/16 | 66.27% | 蔡英文 | 民進党 | 56.12% |
| 2012年 | 2012/01/14 | 74.38% | 馬英九 | 国民党 | 51.60% |
| 2008年 | 2008/03/22 | 76.33% | 馬英九 | 国民党 | 58.44% |
| 2004年 | 2004/03/20 | 80.28% | 陳水扁 | 民進党 | 50.11% |
| 2000年 | 2000/03/18 | 82.69% | 陳水扁 | 民進党 | 39.30% |
| 1996年 | 1996/03/23 | 76.04% | 李登輝 | 国民党 | 54.00% |
得票率は当選者のものです。詳しくは各回のページをご覧ください。
よくある質問
次の台湾総統選挙はいつですか。
次回は第17任の総統・副総統選挙で、投票日は中央選挙委員会がまだ公告していません(2026年9月2日時点)。法令上は、現在の任期が満了する2028年5月19日の30日前までに投票を終えることになっています。2012年以降の4回は立法委員選挙と同じ日に1月中旬に行われました。
台湾の総統選挙に決選投票はありますか。
ありません。総統副総統選挙罷免法第63条により、得票が最も多い1組がそのまま当選します。過半数を得ることは当選の条件ではなく、実際に2000年と2024年は当選した組の得票率が過半数に届いていません。
総統と副総統は別々に選ぶのですか。
別々ではありません。総統候補と副総統候補が2人1組で連名で立候補し、有権者はその組に1票を投じます。どちらか一方の資格が認められない場合は、その組はそもそも立候補の登録ができません。
台湾の総統は何期まで務められますか。
憲法増修条文第2条第6項により、任期は4年で、再選は1回までです。つまり連続して務められるのは通算2期・8年までです。
台湾では何歳から投票できますか。
満20歳からです。総統副総統選挙罷免法第11条が定めています。日本の18歳とは異なります。
海外に住んでいる台湾の有権者は投票できますか。
投票できますが、在外公館などで投票する制度はありません。あらかじめ元の戸籍地で選挙人登録をしたうえで帰国し、国内の投票所で投票します(総統副総統選挙罷免法第12条・第14条)。